「ソニック」と聞いても、ワンパンマンの「音速のソニック」が思い浮かぶぐらいにソニックシリーズと無縁なのですが、今回セガ様よりお話を頂き、PS5版ソニックフロンティアをプレイすることになりました。
正直お話を頂いたときは「ソニックってやったことないな」「30代の私でも楽しめるんやろか?」「ソニックって子ども向けなんじゃ…?」なんて勝手な思い込みをしていたのですが、ゲームをプレイし始めてから半月も経たないうちにエンディングを見ていました(笑)
私のように、ソニックシリーズを全く知らない人でも楽しめるのかどうか、一体どんなゲームなのかを、「良かったところ」「イマイチだったところ」に分けてそれぞれレビューいたしました。
ストーリーに関わるネタバレはしておりませんが、ゲームのシステムなどは解説していますので、全く何も知らない状態でプレイをしたい人の閲覧は推奨致しませんのでご注意ください。
ソニックフロンティアのゲーム概要
ソニックシリーズとは、セガグループの看板キャラクターである「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」が主人公のアクションゲームのシリーズです。
1991年にセガから発売されて以来愛され続けているゲーム作品で、2021年時点で、無料ダウンロードを含むシリーズは累計13億8,000万本を超えています。日本での人気はもちろんですが、特に海外での評価が極めて高い作品です。
今回レビューする「ソニックフロンティア」は、前作から約5年ぶりの待望の新作であり、ソニックシリーズ初の「オープンワールド」システムで展開される作品として話題になりました。
ジャンル | 新境地アクションアドベンチャー |
プレイ人数 | 1人 |
対応機種 | PlayStation®5 / PlayStation®4 / Nintendo Switch™ / Xbox Series X|S / Xbox One / Steam |
CERO | A |
発売日 | 2022年11月8日(火) |
クリアまでの目安時間 | 約20〜30時間 |
ゲームの良かったところ
オープンワールドならではの開放感と、開拓していく楽しさがあった
マップを開いても、ほぼ情報が無い状態でゲームはスタートします。
そこから、あらゆる場所に設置されているギミックの謎を解くことで、その周辺のマップが解放され、何があるかがわかるようになっていきます。
まず、その地図を埋めていく作業だけでも探索しがいがあって楽しいです。
ギミック自体は一つ当たり1分〜2分ぐらいでクリアできるもので、制限時間内に特定の場所にたどり着くというものや、光る床を一発書きの要領で踏んでこなすといったもので、難易度も全然高くないので、サクサクとこなすことができます。
また、ファストトラベル機能は最初無いのですが、目的地まで遠いなと思っても、移動速度自体他のゲームではありえないスピードで走れるので、あっという間にたどり着くことができ、ストレスに感じることが全くありません。
私自身、オープンワールドで「探索」するよりもメインストーリーをどんどん進めてしまいたい派の人間なのですが、ソニックフロンティアでは各ステージのギミックをコンプリートをしたことで貰えるトロフィーをGETしてしまうほどに、探索にのめり込むことができました。
ゲームの進め方はいたってシンプルで分かり易く、また、それぞれの要素がバランスよく成り立っていた
メインストーリーは、ざっくり言うと以下の流れで進めていきます。
- フィールドに点在している守護神(ボス)を倒して「ポータルギア」を集める
- 「ポータルギア」を使って電脳空間を開放し、そこで「エメラルドキー」を入手する
- 「エメラルドキー」を使って「カオスエメラルド」を入手する
- 集めた「カオスエメラルド」を使ってボスを倒す
このように、やることはいたって単純明快です。
この流れの中でフィールド上にあるギミックを解いたり、電脳空間でノルマを達成できるように頑張ったりと、自分のペースで自由にゲームを進めていくことができます。
それにそれらをこなすごとに達成感を得ることができるので、気付けば数時間プレイしていたことがあり、やめ時が見つかりにくいなと感じました。
アクション操作が分かりやすく、子どもやアクション苦手な人でも楽しめる戦闘
習得できるスキルの数は他のゲームよりも少なく、全部習得するのに時間もかかりません。
しかも、それぞれの技を使うコマンドを覚えなくても、攻撃ボタンを押しておくだけで自動的にコンボを繋げてくれるという親切なスキル「オートコンボ」も用意されていました。
だから戦闘自体はいたって簡単なので、アクション苦手な方でも楽しめます。
「だったらアクションゲーが得意な人にとっては手応えがないのでは?」と思うかもしれませんが、そういうわけではありません。
このゲームにおける戦闘は、死にゲーのようにプレイスキルに依存するものではなく、『どう攻略するか』というギミックを解き明かして倒すという感じなので、それを攻略する楽しさ・爽快感を得ることができると思いました。
ちなみにオートコンボはオプションでオン・オフ可能です。
ボスとの迫力あるバトル
各ステージの最後に、集めた「カオスエメラルド」という宝石のようなアイテムを使うことで、ソニックはスーパーソニックに変身し、格段に強くなります。
ボス戦ではそのスーパーソニックの状態で、巨大なボスに立ち向かうのですが、そのときのBGMや、ムービーシーンがとんでもなくカッコ良くて、迫力満点のバトルにテンションが上がりました。
ボス戦自体も難易度は高くないので、スーパーソニックの凄さをただただ堪能することができました!
守護神とのバトルは攻略法を見出した時の嬉しさを噛み締められる
守護神とは、フィールド上に何体か存在する、いわゆる中ボス的なものです。
守護神は、ソニックならではのスキルを駆使して攻略する必要があり、各守護神ごとに、どうればダメージを与えることができるのかをまず考えなえればいけません。
攻略方法さえわかってしまえば、一つのアスレチック感覚で倒せてしまうので、クリアできたときに小さな嬉しさを噛み締めることができます。
ソニックの従来の遊び「電脳空間」にわりとハマる
「電脳空間」とは、いわゆるステージクリア型アクションの、ステージに該当するものです。(マリオのそれぞれのステージのようなものと思っていただければOKです。)
各ステージでは、
- ○分以内にクリアする
- 赤コインを5枚集める
- リングを○枚所持した状態でクリアする
というミッションが用意されていて、クリアした数に応じてメインストーリーを進めるのに必要なアイテムをGETできるようになっています。
大体1分〜2分ほどでサクッとプレイできてしまうので、普段タイムアタックとかはしない私でも、ミッションをクリアするために5、6回とやり直すことが多々ありました。
ステージによっては手厳しいところもありましたが、全体的に電脳空間のミッションが難しすぎるわけではなく、誰でも少し頑張れば全てのミッションをクリアできるぐらいの、ちょうどいいバランス調整になっていたように感じました。
あらゆるゲームが詰まっていて飽きさせない。
フィールド上にあるギミックをはじめ、守護神とのバトルや、メインストーリー上で登場するミニゲーム、そして電脳空間など、ひとつひとつは奥が深いわけではないのですが、シンプルなゲームが数多く詰まっていて、飽きがこない作りになっているなと感じました。
普段ゲームをあまりプレイしない層の人でも、ゲームのルールや操作がわかりやすいので、十分に楽しめると思います。
イマイチだったところ
変に難易度の高いミニゲームがあり、テンポを悪くさせている時があった
メインストーリーをクリアするまでに、私が何度も失敗してやり直したミニゲームが大体3〜4個ほどあります。
もちろんゲームなのですから、難しいポイントもあって然るべき…ではあるんですが、メインストーリー上避けては通れないミニゲームで、ここまでシビアにしなくても…!と思う箇所がありました。
決してミニゲーム自体長いものではないのですが、失敗するとまた最初からなので、何度もやり直す作業にゲームのテンポの悪さを感じざるを得ませんでした。
極端に数箇所のミニゲームの難易度を上げるのではなく、全体的なバランスを調整して欲しかったなと思います。
メインストーリーがよくわからない
ざっくり言うと、「古代人の謎に満ちた不思議な島で、はぐれた仲間たちを助けるために、その島の謎を解いていく」というのがメインテーマです。
ソニックシリーズをプレイしたことがなくても、最初はこの島の秘密ってなんなんだろう、仲間はどうやったら救うことができるんだろう?と気になる展開ではあったのですが、謎が分かったあとも、私の中では「あぁ、そうなんだ。」ぐらいの感覚でした笑
仲間との会話シーンは、おそらくソニックシリーズをプレイしている人なら感慨深いシーンがあるのかと思いますが、その点未プレイですし、あと翻訳が原因なのか分かりませんが、ちょこちょこ分かりづらい場面がありました。
リングが満タンに溜まった時の演出は要らない
細かいところの指摘になってしまうのですが笑、ソニックのゲームでは、「リング」の所持数が「体力」となっています。
このリングはフィールド上に配置されていて、それを満タンまで所持すると、画面が切り替わって5秒ほどの演出が入り、ソニックが強化されるような仕組みになっています。
このわずか5秒ほどなんですが、これが毎回入ると「もういいよ、、」となってしまいました。
設定から演出のON/OFFを切り替えられるようにしてほしいなと思います。
ゲーム終盤の盛り上がりに、物足りなさを感じた
メインストーリーは、5つの島に分かれています。それぞれの島ごとにボスがいて、倒したら次の島に、という感じになっています。
ゲーム序盤の1つ目の島でボスと対峙したときは、その演出の派手さと迫力で「おおお!!」と感動したので、きっとエンディングはもっと凄いんだろうと勝手に期待していたんですよね。
だから自分の中でハードルを上げていたことも原因ではあるのですが、なんだかエンディングを迎えた時の未消化な感じが拭えませんでした。
シリーズ未経験でも楽しめるのかどうか
楽しめます。
ただ、過去シリーズをプレイしていた方が、登場キャラクターの背景や、主人公との関係性などが分かるので、ストーリーに厚みが出ることは間違いないと思います。
わたしは全くソニックの知識を持っていなかったので、メインストーリーは正直あまり堪能できませんでした。
ですが、このゲーム作品自体、メインストーリーだけで成り立っているようなものではありません。
ソニックの従来のスピードを生かしたゲームだったり、フィールド上の探索要素だったり、ミニゲームだったり、それらたくさんの要素がギュッと濃縮したゲームです。
だから、これまでソニックのことを全く知らなくても、老若男女問わず、間違いなく楽しめるゲームだと感じました。
難易度について
ソニックフロンティアでは、3つの難易度が用意されており、ゲーム中いつでも変更することができます。
- エンジョイ
:バトルが苦手な人、ゲームを早く進めたい人におすすめです。 - チャレンジ
:アクションもバトルもしっかり楽しみたい人におすすめです - スリル
:緊張感のあるバトルを楽しみたい人におすすめです。
幅広い年齢層の人がプレイできるように難易度も分かれてますし、ソニックのスピードの調整もすることができるようになっています。
最初はノーマルの「チャレンジ」で初めてみて、自分に合う難易度に調整していただければ、最後までプレイできると思います。
アイテム救済ゲーム「釣り」
基本的に、ソニックフロンティアのストーリーを進めるためには、フィールド上にいる守護神を倒して、「ギア」というアイテムを手に入れなければなりません。
しかし、「難易度を調整してもやっぱり敵を倒すのは難しい」「戦いがどうしても苦手」という人に向けて、その「ギア」を簡単に手に入れる方法がちゃんと用意されています。
なんと、いたってシンプルに、「魚釣り」をするだけでいいんです。
しかも難しい釣りではなく、ただタイミングに合わせてボタンを押すだけという、シンプルなミニゲームになっています。
もし攻略に行き詰まるようなら利用されるといいと思いますし、このような救済システムがあることを知った上でゲームを購入すると安心できますよね。
最後に
以上、ゲームの良かったところと、悪かったところについて感想を記述致しましたが、総評としましては、素直に面白かったです!
30代で初めてソニックシリーズをやりましたが、派手な演出に純粋にワクワクしたり、電脳空間では「くっそー、もう一回やろ!」と必死になったりと、楽しい時間を過ごせるゲームでした。
私の友人の5歳になるお子さんも、「ここどうやるんやろー!」とつまづいてはお母さんに相談したりしながら、とても楽しそうにプレイしていました(*^_^*)
ゲームのメインストーリークリアまでの時間は20〜30時間ほどですが、クリア後もコンプリートを目指したり、アップデートコンテンツなどもまだ控えていますので長く遊べるゲームになっていると思います。
悩まれている方は、ぜひ手に取っていただければと思います。