「死にゲー」「高難易度」というゲームではありますが、実のところどうなのか。
クリアまで実際にプレイしてみた一人の女ゲーマーとして素直な感想を綴ります。
ストーリーについてのネタバレは含みませんが、ステージの構成などの情報を記載していますので、まったく知らない状態でプレイしたい方はお戻りください。
30代女ゲーマーによるReturnal(リターナル)の評価
- ストーリー:3.0
気になる内容ではありましたが、すべての謎に対する正解が現時点で存在しておらず、なんとなくこういうことだったのかな?というような感じです笑
ゲーム中にムービーシーンはいくつかあるとはいえ、ストーリーを重視する人には物足りないかと思います。 - キャラクターの魅力度:2.0
主人公のセレーネさんは見ての通り決して可愛いとも美女とも言えませんので正直魅力的とは言えません笑
また人物に共感できるようなポイントもなく、キャラクターの魅力度としては今一つかなといった印象です。 - 戦闘の楽しさ:5.0
こればかりはピカイチです。
「死んだら1からやり直し」という大きなマイナスポイントをカバーしてくれました。 - 音楽・BGMの良さ:4.0
全体的に暗鬱な雰囲気のBGMで、不安をかられるような気持ちになりました。
謎の惑星を表す音楽として、かなり完成度が高いと思います。 - ボリューム:3.0
短いと言えば短いのですが、これ以上長くなったら長くなったで困るなwwという想いもあるので評価しづらいポイントです。
ただ、クリア後やることがあるとはいえ、フルプライスのゲームにしてはボリューム不足かなと感じますので、できればDLCで今後ストーリーとは別で新たなステージやモードが搭載されることを期待しています。 - マンネリ感がない:5.0
人によっては特定のステージがクリアできず、同じところをそれこを何度も行くことになるためマンネリを感じるかもしれませんが、わたしはクリアするまで全く感じませんでした。
むしろ中毒かなと思うほど気づけば惑星を探索しまくっていました。 - またやりたいと思えたか:4.0
クリアしてからも、ふとまた銃撃戦がしたくなる時があるぐらい、あの爽快感は本当にクセになります。 - クリア後のやりこみ要素:3.0
1周クリアしても物語は完結しません。
再びステージで収集物を集めたり、デイリーチャレンジをこなしたりする等やることはあります。
ゲーム概要・あらすじ
主人公である宇宙飛行士セレーネが乗っていた宇宙船ヘリオスが、謎の惑星“アトロポス”に墜落するところからゲームが始まります。
セレーネはその惑星からの脱出の方法を探すため、謎めいた廃墟の広がる荒地を探索をすることに。
すると目の前に、自分と同じ格好をした死体を発見します。
ヘルメットから身元を確認すると、なんとそこには「セレーネ」の文字が。
さらに探索していくと、音声ログデータを見つけます。
その音声ログには、「自分が死ぬとこの森は姿を変えること」「ここから出られない」という情報が、なぜか自分の声で綴られていました。
今まで来たことがないはずなのに、まるで自分がずっとここにいたかのように。
脅威に満ちたその惑星で、セレーネは異形の敵に襲われ、命を落とすと、なぜか墜落の瞬間に戻ってしまいます。
死ぬとなぜループするのか?この惑星は一体何なのか。
プレイヤーはその謎を追いながら惑星からの脱出の旅を始めていくことになるのでした。
ジャンル | ローグライクTPS |
対応機種 | PS5 |
開発元 | Housemarque |
発売日 | 2021年4月30日 |
プレイ人数 | 1人 |
クリア時間 | 約23時間(かなり個人差あり) |
ゲームの良かったところ
操作性・爽快感がピカイチ!!
クセになる銃の撃ち心地
PS5ならではの機能がふんだんに体感できる
リターナルはPS5専用ゲームですので、コントローラーの振動や、ハプティックトリガーの機能を存分に生かせるゲームとなっています。
たとえば雨が降っているステージでは、その雨粒がコントローラーから感じられますし、最初に宇宙船ヘリオスから墜落する場面の振動は感動を覚えるほどです。
正直今発売しているソフトの中で、『PS5』でプレイしていることを実感できるソフトって大分限られていて、チュートリアルゲームとして搭載されていた『ASTRO’s PLAYROOM』を超えるものが無かったのですが、このリターナルでようやくPS5の感動を味わうことができました。
さらに純正の『PULSE 3D ワイヤレスヘッドセット 』を装着してプレイすることで敵がどこに現れたのか、どこから攻撃しているのかということが分かるようになり、「目と耳と触感」が掛け合わさったことで没入感のあるゲーム体験ができました。
60fpsでぬるぬるしたゲームプレイ
『Returnal』は、PS5で4K解像度、60fpsで動作します。
このゲームをやってから他のゲームをやると、何をやってもモッサリしてると感じざるを得ない滑らかさが体感できます。
さらに弾幕ゲーといわれているこのゲームは、特にボス敵からの攻撃がかなりの弾幕の量になっていて、見ている分には(悠長に見てたら殺されます)とても美しいです。
その辺の花火大会よりも綺麗かもしれません笑
あれほどの弾幕の量を処理落ちすることなく表示しているのはさすがPS5だなと感じます。
また、ロード時間も非常に早く、死んでからのロード時間なんてありませんし、別エリアへの移動も一瞬です。
シンプルな操作性で分かりやすい
銃を撃つときに、軽い押し込みだと照準、ぐっと押し込むことでセカンダリ射撃(チャージ時間が長い強力な射撃です)を利用することができます。
普通射撃とセカンダリ射撃の切り替えが、ボタンの押し込み具合でできるので、非常にシンプルで操作しやすく感じました。
他にも○ボタンを短く押せば短めのダッシュ、長押しすれば長めのダッシュといったように複雑な操作は全く要求されません。
さらにこのボタン配置は自分好みに割り当てることもできます。
TPSにおける「大事なこと」を学べる叩き込まされる
リターナルは「最高難易度」「死にゲー」というキーワードがつきまとうゲームではありますが、実はTPSの基本をきちんと身に着けることで切り抜ることができる難易度調整になっています。
わたしがリターナルを攻略する上で大事にしたポイントは以下の4点です。
いずれもリターナルに限らず、特にTPSをする上で欠かせない要素です。
デスペナルティが大きいリターナルだからこそ、極限の状況でこれらのスキルを身に着けることができると思います。
① 攻撃があたらないように常に動くこと
的が常に動いていると当然あたりにくくなりますよね。
もし敵が1体だけなら攻撃がきてから躱せばいいのですが、リターナルでは同時に5~8体ほどの敵に囲まれることがよくあります。
視界にすべての敵を入れることができなくても、自分が常に動いてることで横からふいに来た攻撃をくらわずに済みます。
② 地形を最大限に活用すること
敵からの弾幕攻撃はダッシュ中は無敵時間となり攻撃をくらわないのですが、ダッシュ自体にもクールタイムがあります。
だからダッシュばかり使ってしまうと、いざという時に痛い攻撃をもらいかねませんので、まずは盾にできそうな場所を確保し、そこに隠れながら攻撃すると被弾せずに倒せます。
③ マップはこまめに確認すること
画面右下に表示されているマップを見れば、敵の位置を把握することができます。
敵があと1対だけだと思っていても、実は奥の方で敵が沸いていたという不意をつかれることがないように、必ずマップをチラチラ意識するようにすると良いですよ。
④ どんな時も焦らずに相手の動きをよく見ること・目をそらさないこと
道中、激しい攻撃をしてくる中ボスがでてきます。
攻撃力が非常に高く、最初ビビってしまってとにかく無駄な動きで逃げてしまいがちなんですが、必ず敵を視界に入れるようにして、攻撃パターンをよく見るようにすることで、この攻撃のあとは近接攻撃してくるな、とかこの攻撃がきたらジャンプしないと、といった判断ができるようになります。
リターナルは、デスペナルティがかなり大きいゲームですので、強敵が出てきた時に私はかなり逃げ腰になってしまう傾向にあったのですが、落ち着いて一定の距離をあけ、敵の動きをよく見ることとで突破することができました。
銃・アイテムの選択次第で状況を変えられる
ループするのが苦にならなかったのは、戦闘が楽しいからというのが大きいですが、それ以外にも「ループする度拾えるアイテムや銃が違う」というのも大きな理由の一つです。
使う銃の特性と、アーティファクト・パラサイトという補助効果をもたらしてくれるアイテムとの組み合わせによって、毎回新鮮な気持ちで挑戦することができます。
たとえばモンハンだと、武器を強化したり新調したらまた狩に行きたくなりますよね。それと同じような気持ちです。
また、武器と敵の相性がありますので、この面ではこういう敵が出てくるからこの武器を持っておこう、など死んだときの経験を生かして立ち回りができるようになってきますし、あるいは色々な銃を使ってみて、自分の立ち回りとの相性が良い武器を探してみるのもありだと思います。
ここはいまいちだった
セーブができない
リターナルでは、ゲームを終了してしまうと「死亡」と同じ扱いとなり、進行状況がリセットされてしまいます。
リターナルを進行しているときは、別ゲームに切り替えができないという点が辛いポイントです。
他のゲームと同時進行というのが難しいゲームですので、リターナルをやると決めた場合は、しばらく他のゲームは一旦忘れて没頭することをオススメします。
ステージの変化が乏しい
ループするたびエリアはたしかに変わるのですが、エリアが出てくる順番が違っていたり、何パターンの中からランダムで選ばれたエリアが出てきたりする、という感じです。
また、すべてのステージを通して似通ったエリアが多くありますし、全体的に似たような敵が多いというのもありますので、もう少し変化が欲しかったなという気持ちです。
ゲームの難易度
リターナルといえば「高難易度」だという印象が強いですが、実のところはそうでもなかったりします。
死んだら1からやり直しという大きなリスクが、このゲームの評価を「高難易度」に押し上げているのと思うのですが、実のところは、そこまで救いがないわけではありません。
「ステージの構成」と「道中」、「ボス戦」に分けて説明いたします。
実際は『救いのある』ステージ構成
このゲームは6面で構成されていて、
チャプター1:1面~3面
チャプター2:4面~6面となっています。
3面で死んだら1面からやり直しですが、ショートカットを開通させることで、1面から2面を通らず3面に進むことができます。
さらに、3面を超えてしまえば、4面以降で死んでも4面からのスタートです。
そして6面まで進んでしまえれば4面から6面に進むこともできるようになります。
こう聞くとそこまでしんどくないですよね?笑
道中について
道中の敵は確かにたしかに難しいといえば難しいのですが、使用する武器の選択や、しっかりと隅々まで探索して自分を強化するアイテムをゲットしていれば、まったく歯が立たないということは無いゲームバランスになっていると感じました。
ちなみに私は3面で敵に囲まれたときに慌ててしまう傾向にあったので、1面で敵が大量に出てくるエリアで練習を重ねることで乗り越えることができました笑
ボス戦について
ボス戦でわたしはそこまで苦戦しませんでした。というのもボス戦までにきちんと準備をしていたから、ですね。
それこそ仁王やsekiroのボス戦では、私は軽く何十回と死にましたが、リターナルでは大体2回目で倒しています。
リターナルでは、よけるタイミングはそこまでシビアではありませんし、フレーム回避が必要だというわけでもありません。
ボス戦にたどりついたら、1回目はどういう攻撃をしてくるのか、どう躱せば被弾せずに済むか、この予備動作で出てくる攻撃が何か、ということを学習して、2回目から本格的に挑戦すると良いと思います。
ホラー要素について
リターナルには、ホラーテイストな演出がいくつかあります。
探索をすすめていくと、マップの中に突如として現れる「家」を何度か探索することになるのですが、その家の中では一人称視点となります。
たとえば暗い部屋にテレビだけ点いていたり、手を伸ばしたドアが突然閉じたりするといったホラーゲームでよくあるような演出があるのですが、完全な「ホラーゲーム」ではありません。
いきなりお化けが出てきて襲ってきたりすることはありませんし、何かが追いかけてくることもありません。
ホラーゲームは絶対何があっても無理!という人なら厳しいですが、特段心配する必要はないと思います。
このゲームに向いてる人・不向きな人
このゲームに向いてる人
- PS5の機能を思い切り体感したい人
- TPSゲームが好きな人
- 本当に緊張感のある戦いがしたい人
- 自分のTPSスキルを向上させたい人
不向きな人
- アクションゲームが苦手な人
(特訓したいならオススメ) - デスペナルティがあるゲームが嫌いな人
- ストーリー重視のゲームがしたい人
さいごに
私は死んだときによくYoutubeで実況している人の動画を見て、動きを勉強させて頂いていました。
正直言えば最初の方は「あんまりかな~」と思っていたのですが、だんだん慣れて自分の上達度も実感できるようになってくる頃には完全に虜になってしまいましたね笑
やればやるほどハマっていくゲームです。ぜひ購入を検討している方は手に取っていただければと思います。