ついに10月8日に発売された新型Switchについて、果たして従来モデルとどう違うのか、高い値段を出してまで買う価値はあるのか、実際に使用した感想を合わせて解説してまいります。
液晶の違いについて
有機ELディスプレイを搭載
有機ELモデル | 現行モデル |
---|---|
有機ELディスプレイ | 液晶ディスプレイ |
【 有機ELディスプレイとは? 】
通常の液晶ディスプレイのように画面全体を照らすバックライトが存在せず、ピクセル一つ一つの有機EL素子が自ら発光することで画像を表示するディスプレイのことです。
ピクセルの発光をオフにすることで深い黒色を表現できることが特長です。
黒が引き締まるため明暗差がはっきりし、ハイコントラストで鮮やかな映像を映し出すことができます。
- 黒を、より黒く表現できる
液晶ディスプレイだとバックライトにより裏から照らされていましので、多少なりとも光ってしまっていました。それが有機ELディスプレイだと黒は全く光りませんので、黒をより黒く表現できるということです。 - 消費電力が少ない
バックライトが無くて、黒に対して発光しませんので、その分の消費電力を抑えることができます。 - 滑らかな映像表現が可能
有機ELは、色を持った素子そのものが発光することで色を表現できるという特性を持っており、従来の液晶ディスプレイのような分子の並び替えをする必要が無いので画面の書き換えがスムーズになります。 - 視野角が広い
視野角とは、正面ではなく上下左右にずれた位置から見るとき、大きく色調が変化したり画面の明るさが減じたりせず、正常に見える角度のことです。
これも有機ELの仕組上、液晶ディスプレイに比べて斜め方向から見ても色味の変化が少なくなっています。
新型モデルの目玉なのが、この「有機ELディスプレイ」です。
ぶっちゃけ当初発表があったときに『なんだ4Kじゃないのか』とガッカリしたんですが、この有機ELを完全に侮ってしまっていました。
旧型との違いを下の画像でご確認ください。
全体的にメリハリのある画面になっていて発色が良く、なにより明るいです(明るさは両方同じレベルに設定して撮影しています)
また、旧型のモデルでは、下の画像のような角度からだと画面が暗く映像はほぼ見えませんが、有機ELモデルでは角度を変えても色味や明るさが損なわていないことが分かります。
このELディスプレイを知ってから従来の液晶を見ると、かなりの見劣りを感じざるを得ません。
時代が一気に進んだ感触でした。
画面の大きさの違いについて
6.2インチから7インチに拡張
有機ELモデル | 現行モデル |
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7.0インチ | 6.2インチ |
解像度については、携帯モード:1280×720、TVモードの解像度:1920×1080となっており、現行モデルとの変更はありません。
0.8インチの大きさなんて僅かな違いだと思っていましたが、Switchは据え置き型のゲーム機と異なる『携帯型』に特化したゲーム機です。
ゲーム機を顔の近くで持って、目から近い位置で画面を見るわけですので、0.8インチの違いはかなり大きいです。
わたしはこれまでSwitchをテーブルモードや携帯モードで遊ぶことって、正直あまりありませんでした。
「歳とったから昔みたいに携帯モードで長時間は無理やな」「テーブルモードにするならモバイルモニターに映した方が見やすいわ」という結論に達していたからです。
しかし今回7.0インチで、さらに液晶が美しい有機ELになったことで、私の中でSwitchに対する認識が変わり、これはちゃんと携帯ゲーム機として愛用していこうという気持ちになりました。
Switchで遊ぶゲームがこれといってない時でも、スマホで見るよりも画面大きくて綺麗なのでYoutubeを観るときに活用できそうです。
スピーカーの違いについて
スピーカーの横幅が拡張して品質アップ
従来機とスピーカーの大きさを比較してみると違いがかなり分かります。
聞き比べてみて下さい(音量は同じMAXで設定しています)
従来モデルで音楽を流した様子
新型
動画を通してだと伝わりにくいかもしれませんが、低音がわかりやすくなり、音の広がりが確実に良くなっています。
これまで聞き取りにくかった細かな音までクッキリと聞こえるようになっていました。
最初のナレーションの「探索と…」の声がELモデルの方がやや低音でずっしりと聞こえていると思います。
普段Switchをプレイしている人なら、新型Switchを始めて起動した瞬間からその変化に余裕で気づけるほどの進化です。
本体サイズ・重量の違いについて
大きな変更は無し
有機ELモデルでは、横幅が3mm伸びているのと重さが22g重くなっています。
画面サイズが大きくなってるなら全体的なサイズが大きくなってるんじゃないの?って思う方がいるかもしれませんが、液晶周りの黒縁部分」をスリムにしたことで7インチを実現させていますので心配いりません。
有機ELモデル | 現行モデル | |
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縦 | 102mm | 102mm |
横 | 242mm | 239mm |
厚さ | 13.9mm | 13.9mm |
重さ | 約420g | 約398g |
従来のものと実際に持ち比べてみた時に、確かに22g分、有機ELの方がずっしりと来る感じがあります…がほぼ気になりません
大きさはほぼ同じですので、これまで使用していたSwitchのケースを引き続き使用できます。
背面スタンドの違いについて
フリーストップ式のスタンドが採用
現行モデルにも背面スタンドはありましたが、角度に縛りがありました。
有機ELモデルでは、「フリーストップ式」というスタンドが採用され、自由度の高い角度調整が可能になっています。
今までテーブルモードで遊ぶぐらいならモニターに映した方がいいだろうという派だったのですが、思い返してみればテーブルモードで遊ばなかったのはこのスタンドが貧弱だったことが一つの原因です。
「それなら純正品でフリーストップ式のスタンドがあるんだから、それ買えばええやん」と思われるかもしれませんが、ふとゲームをしたくなったときに別売品を装着するのが正直手間なんです笑
今回7インチになったことで大分ゲームの快適さも向上しましたので、「テーブルモードにして、プロコンで長時間プレイ」が余裕で出来そうです。
本体保存メモリーの違いについて
内蔵メモリーが32GBから64GBにアップ
有機ELモデル | 現行モデル |
---|---|
64GB | 32GB |
ダウンロード版のソフトだと、たとえばゼルダの伝説ブレスオブザワイルドで13.6GB、スプラトゥーン2で5.5GB、マリオカート8デラックスで6.7GBほど使用します。
ダウンロード版をよく購入する人だと、本体を買った後すぐに本体メモリがいっぱいになってしまうため、SDカードを別で購入する必要がありました。
ゲームをたくさんプレイする人ならSDカード買うことに抵抗ないでしょうが、
「そこまで何本もプレイしない」「ソフトはパッケージで買うことが多い」といったゲーマーさんなら64GBあればわりと事足りるかもしれません。
ドックの違いについて
有線LAN端子が搭載
ただし、現行モデルのUSB端子3つのうちの1つを有線LANアダプターに変更しているので、USB端子は有機ELディスプレイだと2つになっています。
ドックの廃熱機構が進化
現行モデルだと細長い穴が開いているだけでしたが、有機ELモデルでは熱を逃がす口がわりと大きく開いていることから進化がうかがえます。
これまでは別売の「USB有線LANアダプター」を購入する必要がありましたが、ドックに備わったことでインターネットの速度自体に変化が出ています。
従来機にLANアダプターを付けて測定した結果がこちら↓
有機ELモデルのドックにLANケーブルを繋いで測定した結果がこちら ↓
通信速度(ダウンロード)59.8 Mbps →60.3Mbps
通信速度(アップロード)10.1 Mbps →23.8Mbps
接続タップはバッファローのものを使用しています。(回線がよわよわなのはスルーしてください笑)
私の場合回線が弱すぎて違いが微妙ですが、タップを介さない分確実に速度は上がります。
むしろ今までなぜドックになかったんだと不思議でしたが笑、この進化はかなり大きいと言えます。
まとめ
今回の大きな変更点をまとめると次の内容です。
- 液晶→有機ELディスプレイ
- 有線LAN端子がドックに搭載(インターネット速度アップ)
- 本体保存メモリーが32GB→64GB
- 画面サイズが6.2インチ→7インチ
- 背面スタンドが進化
- スピーカー機能の向上
- 値段が32,978円→37,980円
(5,000円の差) - Switchを携帯ゲーム機として愛用しようという意識が芽生えた(この変化が一番でかい)
今回の新型では、バッテリー時間については変更ありません。
正直な話、有機ELモデルが発表されたとき「バッテリー強化モデル」を持っている人なら、すぐに買う必要はないと思っていました。
が、バッテリー強化モデルだった「どうぶつの森」エディションから今回新型Switchを買ってみた私の実直な感想は『買って良かった』の一言に尽きます。
これまで携帯モードを活用してこなかった私が、発売してからまだ2日目ですが今のところずっと携帯モードで遊んでいます笑
変更点だけ見ると大した変化じゃないと思っていましたが、実際手に取ってプレイしてみると『生まれ変わった』とまでは言えませんが確実に手ごたえのある進化だと言えます。
まさしく携帯ゲーム機としての本気を垣間見た気がします。
バッテリー強化モデルじゃない方や、Switch未所持の人で、どっち買おうか悩まれている方は、有機ELディスプレイを買うことを全力でオススメします。
以上新型Switchのレビューをふまえた解説でした。お役に立てれば幸いです。