前作からおよそ20年ぶりとなる新作『鬼武者 Way of the Sword』は、シリーズファンはもちろん、これまで鬼武者を遊んだことがない人からも関心を集めている作品です。
私自身、正直いうと『鬼武者』シリーズはプレイしたことがないので、当初はそこまで注目していませんでした。
しかし、公開された情報を調べていくうちに、本作ならではの魅力やこだわりが次々と見えてきて、気がつけばかなり気になる作品になっていました。
この記事では、『鬼武者 Way of the Sword』の基本情報から見どころ、どんな人に向いていそうな作品なのかまで、公式情報や開発者インタビュー、各メディアの先行プレイレポートをもとに詳しく解説していきます。
なお、本作はまだ発売前のタイトルです。そのため、この記事は実際のプレイレビューではなく、現時点で公開されている情報をもとにまとめた内容となります。事実として判明している情報と、公開情報から感じた期待ポイントは分けてお伝えしていきます。
『鬼武者 Way of the Sword』ってどんなゲーム?【基本情報まとめ】
『鬼武者 Way of the Sword』は、カプコンの剣戟アクションシリーズ「鬼武者」の完全新作です。
鬼武者は、2001年にPS2で生まれた和風アクションの名作。
戦国の世に現れる“幻魔(げんま)”を、独特の爽快感で斬っていく作風で人気を集めました。
メインシリーズとしての完全新作は実に約20年ぶり。前作『鬼武者 Dawn of Dreams』の発売は2006年なので、本当に長い空白期間を経ての復活となります。
そして今回のタイトルには、「鬼武者4」といったようなナンバリングが付いていません。
プロデューサーの門脇章人さんによると、「シリーズを知らない人でも入りやすい作品にしたい」という考えから、あえてナンバリングを外したとのことです。
つまり本作は、長年のファンだけでなく、新たに鬼武者に触れる人も意識して作られているようです。
開発はカプコン社内が担当し、ゲームエンジンには『バイオハザード』シリーズなどでも使われているRE ENGINEを採用。公開映像を見ると、刀同士がぶつかり合う金属音や、敵を斬ったときの重みのある演出など、剣戟アクションへのこだわりが伝わってきます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 鬼武者 Way of the Sword(オニムシャ ウェイ・オブ・ザ・ソード) |
| ジャンル | 剣戟アクション |
| 開発・発売 | カプコン(プロデューサー:門脇章人/ディレクター:二瓶聡/RE ENGINE) |
| 対応機種 | PlayStation 5 ※Xbox Series X|S/Steam・Epic(PC)/Nintendo Switch 2でも展開 |
| 発売日 | 2026年9月25日(金) |
| 価格 | 通常版 8,990円/デラックス 9,990円/プレミアムデラックス 10,990円(税込) |
| プレイ時間の目安 | 約20時間 |
| プレイ人数 | 1人 |
| 体験版 | 2026年6月3日より配信中(無料) |
シリーズ未経験でも大丈夫?
結論から言うと、今作は過去の鬼武者シリーズやNetflixのアニメ版とは物語がつながっていない、独立した完全新作になっています。前作の知識は一切いりません。
私のように「名前しか知らない」状態からでも、まったく置いていかれずに楽しめる作りになっています。
鬼武者デビューを考えているなら、むしろこれ以上ない入り口になっています。
主人公・宮本武蔵――“鬼の力を欲しがらない”からこそ面白い
本作の主人公は、日本でもっとも有名な剣豪の一人である宮本武蔵です。
『鬼武者 Way of the Sword』では20代後半の若き武蔵が描かれており、自らの剣の腕だけを頼りに強さを追い求める、誇り高い剣士として登場します。
興味深いのは、武蔵が鬼の力を自ら求めたわけではないという点です。
彼はある出来事をきっかけに、意図せず左腕へ「鬼ノ籠手(おにのこて)」を装着してしまいます。
しかし、自分自身の力で剣の道を極めたい武蔵にとって、正体不明の力に頼ることは本意ではありません。
そのため、物語の序盤における武蔵の目的は世界を救うことでも、強大な敵を倒すことでもなく、「鬼ノ籠手を自らの意思で外す方法を見つけること」にあります。
英雄としてではなく、望まぬ力を背負わされた一人の剣士として物語が始まる点は、本作の大きな特徴と言えるでしょう。

また、本作へのこだわりが感じられるのが武蔵のビジュアルです。
武蔵の顔のモデルには、日本映画界を代表する俳優・三船敏郎 が起用されています。
開発陣によると、武蔵を描くうえで三船敏郎さんの存在は欠かせないものだったそうで、実現に向けてはご遺族や関係者との調整にも長い時間が費やされたとされています。
RE ENGINEによる表情表現も非常に細かく、セリフだけではなく視線や表情の変化からも武蔵の感情が伝わるよう作り込まれています。声優は 細谷佳正さんが担当しています。
さらに、物語で重要な存在となるのが、鬼ノ籠手に宿る謎の女性「篭手女(こてめ)」です。

角のような特徴を持つ彼女の正体は現時点では明かされておらず、武蔵はぶっきらぼうに「篭手女」と呼んでいます。物語の鍵を握る存在であると同時に、戦闘では武蔵に力を貸す相棒のような役割も担っています。
望まぬ力を得た武蔵と、その力に宿る謎の存在。
二人の関係性がどのように変化していくのかも、本作の注目ポイントのひとつになりそうです。
物語の舞台は「江戸時代初期・化け物がうごめく京都」
舞台は、江戸時代初期の京都。
歴史ある雅な都を、ダークファンタジーとして描いているのが本作の世界観です。
美しい寺社の景色のなかに、おどろおどろしい異形が当たり前のように現れる――この“静と動”のギャップこそ、鬼武者の真骨頂です。

『鬼武者 Way of the Sword』3rd トレーラー:幻魔の実験体
街にはびこるのは、シリーズおなじみの怪物「幻魔(げんま)」。
今作の幻魔は、京都に伝わる伝承をもとにデザインされているそうで、なかには武蔵の“鬼の目”でしか姿を捉えられない個体もいるようです。
さらに、御札で力を封じられた「百穢(びゃくえ)」という幻魔は、返り血を浴びると御札が弱まって強くなるという生々しい設定もあります。雰囲気だけの世界観ではなく、戦い方に関わる“理屈”がきちんと敷かれているのが頼もしいところですよね。
物語の大きな山場として公開されているのが、霊峰・大江山を占拠する強敵「酒呑童子(しゅてんどうじ)」との戦い。日本の伝承に名を残す“鬼の王”が、巨大な幻魔として武蔵の前に立ちはだかります(声は拝真之介さん)。
歴史や民話の要素と鬼武者らしいダークファンタジーが融合した、本作ならではの世界観を味わえそうです。
宿敵・佐々木巌流(小次郎)との因縁が、たまらない

本作で武蔵の前に立ちはだかるのが、佐々木小次郎としても知られる剣客「佐々木巌流(ささきがんりゅう)」です。
宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘は、日本でもっとも有名な一騎打ちのひとつとして広く知られていますよね。
巌流島で雌雄を決した二人を、主人公と宿敵という形で描くのは、鬼武者の世界観との相性も抜群です。
なお、本作では一般的な「小次郎」ではなく「巌流」という名前が採用されています。
開発陣によると、鬼武者らしい独自性を出すことに加え、海外のプレイヤーにも覚えてもらいやすい名称として選ばれたそうです。
そして、本作の巌流は単なるライバルではありません。
彼もまた武蔵と同じ「鬼ノ籠手」を宿した存在であり、いわば“もう一人の鬼武者”として描かれています。
物語の開始時点で武蔵とは既に面識があり、これまでにも幾度となく剣を交えてきた関係です。

性格は武蔵とは対照的で、どこか不気味さと危うさを感じさせる人物として描かれています。
演じる 岡本信彦 も「狂気的なキャラクター」と語っており、誇り高く実直な武蔵との対比が物語を大きく盛り上げそうです。
同じ鬼ノ籠手を宿しながら、異なる道を歩む二人。
その関係性は本作のストーリーにおける大きな軸のひとつとなるでしょう。
また、後述する体験版では、この佐々木巌流との戦いを実際に体験することができますよ。
戦闘の核は、進化した「一閃」と新システム「力動ゲージ」

シリーズの代名詞といえば、やはり「一閃(いっせん)」。
敵の攻撃が当たる直前など、絶妙なタイミングで斬ることで一撃必殺を決める、鬼武者の華です。
決まったときの爽快感は格別なのですが、歴代では“タイミングがシビアで、狙って出すのが難しい”技でもありました。
今作はここを賢く設計し直しています。従来どおりの「攻撃の直前にボタンを押す」一閃はちゃんと残しつつ、新たに「崩し一閃」という、もっとカジュアルに気持ちよさを味わえる選択肢を足してきたのです。
その鍵になるのが、新システムの「力動(りきどう)ゲージ」。
これは敵と自分の両方に存在するゲージで、攻撃を当てたり、敵の攻撃を弾いたりすると相手のゲージを削れます。
削り切って相手を「力動崩れ」にすると、そこから崩し一閃が発動。
つまりシビアな一瞬を自分で取りにいかなくても、“ゲージを削る”という過程さえ踏めば、誰でもあの一閃の快感を出せるようになったわけです。
崩し一閃はボスの部位を狙い分けることもでき、頭部なら大ダメージ、胴体なら魂を多めに吸収、といった戦術的な駆け引きも生まれます。
正直なところ、ここは評価が割れそうなポイントでもあります。
先行プレイの感想を読むと、「初心者でも一閃を出せるのは嬉しい」という歓迎の声がある一方で、「狙って出していた頃の張りつめた緊張感や、軽快さは少し薄れた」という古参ファンの本音もちらほらみられます。
“間口を広げる”のと“硬派な手応えを守る”のは、両立が難しいテーマですね。
「弾き」「受け流し」で魅せる、刀と刀の駆け引き
斬る爽快感だけでなく、相手の動きを見極めながら戦う“駆け引き”も本作の大きな特徴です。
敵の攻撃を弾き返す「弾き」や、攻撃の方向を受け流して体勢を崩す「受け流し」など、防御アクションが単なる守りではなく攻撃につながるよう設計されています。
受け流しを成功させると「気焔」状態となり、武蔵の攻撃性能が強化されるため、積極的に狙うメリットもあります。
こうした駆け引きが特に活きるのがボス戦です。
体験版に登場する佐々木巌流との戦いは、各メディアでも高く評価されており、力任せに攻めるだけでは通用しない緊張感のある一騎打ちが楽しめます。
相手の動きを見極めながらガード・弾き・回避を使い分ける、まさに剣豪同士の真剣勝負が味わえそうです!
アクションが苦手でも大丈夫そう、と思えた理由

「剣戟アクションって、私みたいに不器用な人間には難しいのでは…」と身構えている方、ご安心ください。
開発側は「本作はソウルライクではない」とはっきり言っていて、難易度への考え方がとても優しいんです。
門脇プロデューサーは「途中でゲームをリタイアすることがないように」「心が折れてしまうようなやられ方はしないように」という方針で作ったと話しています。
まずは“活劇”のような爽快さで気持ちよく始められて、慣れてきたら“剣戟”の読み合いに踏み込んでいける、そんなフレキシブルな難易度設計を目指しているそうです。
間口は広く、でもボス戦の奥は深い。
理不尽に殺してくるのではなく、ちゃんと応えれば応えてくれる。
この匙加減なら、アクションが得意じゃない私でも最後まで走りきれそうだなと、素直に思えました。
鬼の力で“喰らって強くなる”――探索と成長
武蔵が宿す鬼の力は、戦闘の派手さだけでなく、成長や探索の根っこにもなっています。
倒した幻魔からは、左腕の鬼ノ籠手を通じて「魂」を吸収できます。
魂には色があって、ざっくり黄=体力回復/赤=能力の強化/青=スキルや特別な武具の解放といった役割分担。
さらに、無念のうちに殺された人々の怨念が固まった「黒魂」を吸収すると、隠れた幻魔を見抜く力「眼覚醒(がんかくせい)」に目覚めます。
倒す行為が、そのまま世界の謎を解く鍵になっていく構造が巧みです。
ちなみに今作は移動しながら魂を吸えるようになっていて、いちいち立ち止まらされないテンポの良さも好印象でした。

いざというときは、鬼の力を一気に解き放つ大技も。
腕に力を込めて強烈な一撃を放つ「腕覚醒」、瞬発力で間合いを詰めたり道を切り拓いたりする「脚覚醒」など、人間離れしたアクションで局面をひっくり返せます。
探索面でも、眼覚醒で見えない幻魔をあぶり出したり、京都の街に仕掛けられた「畳返し」のような和風ギミックを攻略に絡めたりと、ただ一本道を歩くだけにはならない工夫が随所に。
マップ自体は道筋がはっきりしたリニア寄りの作りですが、寄り道や探索の余地もきちんと残されているようです。
「無料体験版」配信中!

「気になるけど、自分に合うかは不安…」という方にいちばんおすすめしたいのが、体験版です。
『鬼武者 Way of the Sword』は、2026年6月3日から無料体験版が配信中。
物語序盤の清水寺(きよみずでら)ステージを舞台に、雑魚との立ち回りから、宿敵・佐々木巌流とのボス戦まで、約30分ほどを実際にプレイできます。
この記事で紹介してきた一閃・弾き・受け流し、そして力動ゲージの駆け引きを、文字どおり“自分の手で”試せるわけです。
「一閃が簡単になりすぎていないか」「ボス戦の緊張感はどうか」などの気になる部分を、まずはタダで確かめられるのは大きいですよね。
しかも体験版のセーブデータがあると、製品版で御守「首灯(しゅとう)」がもらえますので、購入を決めている方はもちろん、迷っているなら、とりあえず1度試してみてください。
こんな人におすすめ!/逆に人を選ぶかも
ここまでをふまえると、本作はこんな人にしっかり刺さりそうです。
- 京都・時代劇・和風ダークファンタジーの雰囲気にぐっとくる人
- 斬る爽快感だけでなく、弾きや受け流しの“読み合い”をじっくり味わいたい人
- でも高難度で心が折れるのは勘弁…という、間口の広いアクションを探している人
- 宮本武蔵 × 三船敏郎、そして宿敵・小次郎との因縁、という渋いロマンに弱い人
- かつて鬼武者で遊んだ人はもちろん、これを機にシリーズデビューしたい人(前作知識ゼロでOK)
- ひとりで腰を据えて、骨太な物語を遊びきりたい人
先ほど触れたとおり、一閃まわりの手触りは古参ほど好みが分かれそうな部分でもあるので、そこは体験版で相性を見てから決めるのが確実です。
最後に
『鬼武者 Way of the Sword』は、20年の眠りから覚めた名シリーズが、“鬼の力を望まない宮本武蔵”という最高の題材を引っさげて帰ってくる完全新作です。三船敏郎の渋さ、宿敵・小次郎との因縁、化け物うごめく京都、そして進化した剣戟――役者が、すべて揃っています。
正直に言うと、私がいちばん気にしているのは、やはり一閃まわり。出しやすくなったぶん、シリーズ特有の“張りつめた爽快さ”がどこまで守られているか、という一点です。
ただ、ボス戦の濃密な読み合いや、「途中で投げ出させない」という開発側の姿勢を見ていると、“間口の広さ”と“歯ごたえ”はうまく両立できていそうだ、と期待しています。
鬼武者を知らない人にも、あの頃を覚えている人にも、きっと届く一本。気になった方は、ぜひこの秋、鬼の力を背負った武蔵となって、幻魔うごめく京都に斬り込んでみてください。

