「死にゲー」「弾幕(だんまく)シューティング」
この言葉を聞くだけで、「自分には無理そう」と感じる人も多いのではないでしょうか。
『SAROS(サロス)』は、あの高難易度ローグライク『Returnal(リターナル)』を手がけたHousemarque(ハウスマルク)の新作です。
メタスコア88点、PS Storeでも星4.8オーバーと、発売直後から「今年トップクラスの一本」と大絶賛されています。ただ、評判がいいのは分かっても、気になるのは「そこまでゲームが得意なわけじゃない自分でも、ちゃんとクリアできて楽しめるのか」という点ではないでしょうか。
先に結論をお伝えすると、死にゲーが苦手な私でも、約20時間でクリアできました。
しかも途中で「もう無理…」と心が折れかけた瞬間が、一度もありません。
この記事では、そもそもSAROSがどんなゲームなのか、そしてなぜ死にゲー初心者や苦手な人でも遊び切れるのかを、実際にクリアした私の目線でまとめていきます。ストーリーのネタバレはありませんので、購入を迷っている方も安心して読み進めてください。
SAROS(サロス)とはどんなゲーム?【基本情報まとめ】
『SAROS(サロス)』は、変わりゆく異星を舞台に進んでいくサードパーソン・シューティング(TPS)です。
ジャンルはローグライク/弾幕シューターに分類されますが、ざっくり言えば「死にながら少しずつ強くなって、たくさんの敵を撃ちまくる爽快アクション」だと思ってもらえれば大丈夫です。
開発は、シューティングを作らせたら世界屈指のスタジオ、フィンランドのHousemarque。
前作『Returnal』でPS5初期の“死にゲー弾幕TPS”の金字塔を打ち立てたチームです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | SAROS(サロス) |
| ジャンル | サードパーソン・シューティング(ローグライク/弾幕TPS) |
| 開発 | Housemarque(ハウスマルク) |
| 発売元 | ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE) |
| 対応機種 | PlayStation 5 / PS5 Pro Enhanced対応 |
| 発売日 | 2026年4月30日 |
| 価格 | スタンダード 8,980円/デジタルデラックス 9,980円(税込・2026年7月1日時点) |
| プレイ人数 | 1人 |
| クリア時間 | 約20時間(個人差あり) |
| 難易度調整 | カルコサ・モディファイアという機能で自由にカスタマイズ可 |
| 日本語 | 字幕・テキスト対応 |
舞台は、死ぬたびに姿を変える異星「カルコサ」
主人公は、企業に雇われた屈強な探索者アルジュン・デヴラージ。
舞台となるのは、「日蝕(エクリプス)」という現象に支配された異星カルコサです。
このカルコサ、アルジュンが死ぬたびに世界の姿を変えていく、なんとも不気味な惑星。
消息を絶った先行調査隊の謎を追いながら、変わり続ける世界を突き進んでいくというのが大まかな流れです。
前作Returnalを遊んだ人なら「あ、あの“死ぬとループする惑星”の系譜だな」とすぐにピンとくるはずです。
立ち位置は「Returnalの正統進化版」
SAROSを一言でいうなら、『Returnal』の正統進化版。
前作をクリアした私も、文句なしにそう言い切れます。
Returnalの「撃ち心地の気持ちよさ」や「弾幕をかいくぐる緊張感」は、そのまま受け継がれています。
一方で、前作でしんどかった「死んだら全部やり直し」という理不尽さは、大きく見直されていました。
この進化こそ死にゲー苦手な私を救ってくれた最大の要素なので、次の章でじっくり書きますね。

死にゲー苦手な私が、一度も心を折られなかった理由
私は死にゲーが得意ではありません。エルデンリングもSEKIROも、何度も心をへし折られてきた側の人間です笑
ただ、シューティングそのものにはある程度の慣れがあって、そこだけは救いでした。
そんな私が、SAROSではクリアまで一度も「もう無理だ」と投げ出しかけませんでした。
① 死んでも“何ひとつ無駄にならない”という安心感
いちばん大きいのは、死んでもプレイした分が無駄にならない仕組みです。
道中で敵を倒すとルーセナイト(Lucenite)という資源が手に入ります。
死んでも大部分が引き継がれる通貨で、拠点に戻ればアーマーマトリクスという強化盤面で自分を恒久的にパワーアップできます。
たとえ力尽きても、その周回で稼いだ分だけ次は強くなって再挑戦できるわけです。
死んでも成長が積み重なる仕組みは、精神的な負担をかなり減らしてくれました。
前作Returnalは「死んだら基本1からやり直し」で、あのヒリつく緊張感が魅力である反面、心が削られる原因でもありました。
SAROSは毎回ちゃんと前進している手応えがあるので、負けても悔しさより「次はいけそう」という気持ちのほうが勝ちます。死にゲーへのハードルを下げてくれる、いちばんの立役者でした。
さらにレアな資源としてハルシオン(Halcyon)もあります。
後述の「セカンドチャンス(復活)」など、より強力な上位強化に使う資源です。
② 強化がシンプルすぎるほど分かりやすい(成長属性は3つだけ)
強化システムは、項目が多すぎて「どれを上げればいいの…」と迷子になるゲームも少なくありません。
その点、SAROSはすごくシンプルです。恒久強化の柱になる“成長属性”は、たった3つだけ。
- ドライブ(Drive):ルーセナイトの獲得量や、武器の熟練度が上がる速さに関わる
- コマンド(Command):シールドやパワーウェポン(特殊武器)の容量に関わる
- レジリエンス(Resilience):いわゆる体力(アーマー)に関わる
この3つを、集めたルーセナイトで伸ばしていくだけです。
何を上げれば何が強くなるのかが直感的に分かるので、強化のたびにワクワクできました。
ちなみに強化には上限(キャップ)があり、無限に強くなれるわけではありません。
それでも「さっきより確実に強くなっている」という手応えが周回のたびにあって、繰り返しが苦になりませんでした。
③ 「1面から走り直せば、自然と強くなれる」設計
SAROSには、一度到達したバイオーム(ステージ)から直接始められる機能があります。
ただし、たとえば3面から直接始めると、3面の雑魚敵がやたら手強く感じるのです。
そこで、1面から通して進めると、自分の強化が進むので、気づけば3面も無理なく突破できるようになるんです。
急がば回れというやつです笑
「コツコツ1面から積み上げれば、ちゃんと後半に手が届く」バランスが絶妙で、焦らず自分のペースで強くなれる設計です。おかげで、詰まって苦しむより、サクサク前進していく感覚のほうが強く残りました。
実際に20時間プレイして感じたこと
ここからはシステムの話を離れて、プレイヤーとして純粋に楽しかったポイントを語ります。
撃ち心地の気持ちよさが、まず段違い
前作でもそうでしたが、PS5専用ゲームだからこそのDualSense(デュアルセンス)の触覚が、やはり素晴らしいと思います。引き金を引く手応え、着弾の感触。一発ごとの撃ち心地が、ずっと快感でした。
派手な弾幕を撃ち返し、避け、また撃つ。この一連の流れが心地よくて、ストーリーうんぬんより、とにかく手が動いてしまいます。というかずっと撃っていたい笑
SAROSの中毒性の源は、一発一発の気持ちよさにあると感じました。
武器を“試す”のが楽しい。私のお気に入りはクロスボウ
武器の種類が豊富で、「今回のランはこの武器で行ってみよう」とあれこれ試しながら遊べます。
ランごとに手持ちが変わるので、毎回新鮮な気持ちで挑めました。
個人的にいちばんハマったのがクロスボウ。
照準を正確に合わせなくても、敵を自動追尾でどんどん撃ってくれるので、その分の神経を全部“弾幕を避けること”に注げます。避けに集中したい私にはドンピシャでした。
一方でショットガンは、敵をスタン(怯み)状態にできる爽快感が強烈。
近づいて一発ぶち込み、動きを止める瞬間の気持ちよさは、また別ベクトルのハマり方をさせてくれました。
こうして「自分の立ち回りに合う武器」を探すのも、このゲームの醍醐味です。
弾の“色”ルールと、新要素パリィの爽快感
SAROSの戦闘は、飛んでくる弾の色によって対処法が変わります。
- 赤い弾:避けられない(=立ち位置と動きで捌く)
- 黄色い弾:避けることも吸収することもできるが、吸収するとハンデを負う
- 青い弾:シールドで吸収して、そのエネルギーを特殊技(パワーウェポン)として撃ち返せる
「色で捌き方を変える」ルールはシンプルで分かりやすく、それでいて奥が深い。
そして今作の目玉が、前作Returnalにはなかった“パリィ”です。
飛んでくる弾幕をパリィで弾いたときの爽快感がクセになります。
操作そのものは難しくないのに、決まると最高に気持ちいい。
いいアクションが1つ増えたと素直に感じました。
「セカンドチャンス」という救済がありがたい
もう一つの安心材料が、セカンドチャンス(Second Chance)です。
一度死んでも、その場で復活できる救済要素になります。
前作Returnalにも似た復活はありましたが、レアなアイテム頼みでした。
SAROSでは強化で恒久的に手に入れておけるので、いざというときの保険として頼りになります。
ボス戦の時にセカンドチャンスが残っていると、ものすごく心強かったです。
ボス戦のアツさ。BGMもかっこいい
ボス戦は文句なしにアツいです。流れるBGMがまたかっこよく、戦っているだけでテンションが上がります。
面白いのが、最初は「うわ、強っ…」と思ったボスも、周回して自分が強くなり、動きを覚えていくうちに、あっという間に倒せるようになること。
「昨日は苦戦した相手を今日は瞬殺している」という手応えが、たまらなく心地よく感じました。
オーバードライブ(Overdrive)という強力な大技も撃てるようになり、爽快感は前作以上でした。
ストーリーは、最後まで完全には理解できなかった
ストーリーについては、最後まで完全には理解できませんでした笑
断片的なムービーがちょこちょこ挟まるのですが、私はずっと「うーん、よく分からないな」と眺めている状態。
ただ、もともと物語には期待しておらず、あくまでおまけくらいの気持ちだったので、薄さは気になりませんでした。
SAROSは物語を味わうゲームというより、アクションの気持ちよさで殴ってくるゲームです。
そこを分かって遊べば、ストーリーの弱さは大きな減点になりません。
しんどかった点・気になったところ
私が「ここはちょっと…」と感じた点もお伝えします。
① ボス戦がスキップできない
最初にいちばん引っかかったのが、ボス戦をスキップできない点です。
前作Returnalではボスを飛ばして先へ進めたので、周回のたびに毎回ボスと戦うのは、序盤ちょっとしんどく感じました。
ただ、先ほど書いたとおり、繰り返すうちにボスをあっさり倒せるようになるので、慣れてくると逆に「腕試し」的な楽しさへ変わっていきました。“最初のうちだけの不満”という感じです。
② 後半ステージは、道中の弾幕が濃くて移動が面倒
もう一つは、後半のバイオームになると、道中にも弾幕がびっしりで、移動するだけでしんどい場面がちょこちょこあったことです。
ボス戦でもないのに気を抜けない密度で、「ちょっと休ませて…」となる箇所はありました。
クリア後の“やり込み要素”が、いまはまだ物足りない
私がいちばん惜しいと感じたのがクリア後の物足りなさでした。
真エンディングまでたどり着くと、そこで一区切り。
タイムアタックや腕試しのモードといった、“その先も遊び続けたくなる理由”が、いまのところ用意されていません。
毎日1ランが習慣になるくらいハマっていた私としては、「え、ここで終わり? もっと遊びたいのに」と、少し寂しくなってしまいました。
強化に上限があるぶん、終盤はルーセナイトが余りはじめるのも気になるところ。使い道のなくなった資源が貯まっていくと、走る目的がふっと薄れてしまいます。
これについては、私だけの感想ではないようで、海外のレビューやプレイヤーからも「クリアすると、やることがなくなる」「エンドコンテンツさえあれば満点だったのに」という声がちらほら上がっています。
前作Returnalも、発売後のアップデートで無限に登り続ける腕試しモード「シーシュポスの塔」が無料で追加されました。SAROSにも同じような後追いのエンドコンテンツが来てくれたら、寿命はぐっと延びるはず。
今後のアップデートに期待しています。
【前作プレイ済みの私が体感】Returnalからどう進化した?
「Returnalは遊んだけど、SAROSは何が変わったの?」という人向けに、前作をクリアした私が体感した進化ポイントを表にまとめました。
| 項目 | Returnal(前作) | SAROS(今作) |
|---|---|---|
| 死んだときの成長 | 基本1からやり直し (強化はリセット) | ルーセナイトで恒久強化が積み上がる |
| 開始位置 | 一定まで進めないとチェックポイントなし | 到達済みバイオームから直接開始できる |
| 復活(セカンドチャンス) | レアアイテム頼み | 恒久強化で手に入れておける |
| 防御アクション | ジャンプ・ダッシュ中心 | シールド+パリィが追加され、捌きの幅が広がった |
| 大技 | – | オーバードライブなどの必殺技で爽快感アップ |
| 難易度調整 | なし | カルコサ・モディファイアで自由に調整可 |
こうして並べると一目瞭然で、「死にゲーとしての気持ちよさは残しつつ、理不尽さと不親切さをごっそり削った」のがSAROSです。
前作で心が折れた人にこそ、もう一度手に取ってほしい進化を遂げています。正統進化、文句なしの一本でした。
死にゲー初心者でも大丈夫?難易度とカルコサ・モディファイア
この記事を読んでいる人がいちばん知りたいのは、たぶん「私でもクリアできる?」という点だと思うのですが、これについて結論から言うと、大丈夫です!
「クリアできない人を出さない」ための難易度調整がある
SAROSにはカルコサ・モディファイア(Carcosan Modifiers)という、難易度を自分好みにカスタマイズできる仕組みがあります。
自分に有利なバフをかけて易しくすることも、逆にハンデを課して難しくすることもできます。
「難しすぎてクリアできない」という人が出ないように設計されているので、いざとなればモディファイアで調整すればいい、という安心感があります。
ちなみに私自身は、モディファイアを一度もいじらずにクリアしました。
前作Returnalをクリアしたささやかなプライドと、自分のシューティングの腕を素の状態で磨きたい気持ちがあったからです笑。
ただ、あくまで私の好みの話なので、苦手な人は遠慮なく難易度を下げていいですし、それでこのゲームの面白さが損なわれることはありません。
1ラン30分・いつでも一時停止OK。生活に馴染む死にゲー
もう一つ、忙しい人に嬉しいのがプレイのしやすさです。
SAROSは各バイオームがだいたい30分あればクリアできるくらいの長さなので、「今日は1ランだけ」とコツコツ遊べます。
しかも、ムービー中でも戦闘中でも、いつでも一時停止できます。
急に用事ができて席を立つときも、慌てずにすみます。
30代女ゲーマーが遊んでみて
仕事や家事を終えたあとに、1日1ラン遊ぶのが日課になっていました。1ランがコンパクトで、しかもいつでも止められるので、時間がまとまって取れない大人でもちゃんと遊び切れます。
そして怖いのが、いつの間にか毎日の習慣になっていたこと。
「1日1回は絶対にやりたくなる」そんな中毒性が、SAROSにはあります。
こんな人に刺さる/こんな人には厳しいかも
ここまで読んで、自分に合いそうか、なんとなく見えてきたでしょうか。最後に整理しておきます。
こんな人に刺さる
- シューティングの腕を磨きたい人(素の難易度で挑めば最高の練習台になります)
- 無心で撃ちまくって、スカッとしたい人(1日の終わりのご褒美みたいなゲーム)
- 死にゲーは苦手だけど、“成長を感じながら”なら頑張れる人
- 前作『Returnal』が好きだった/途中で挫折した人(進化を体感してほしい)
こんな人には厳しいかも
- ストーリー重視のゲームが好きな人
(物語はおまけ寄りなので、ここを求めると肩透かしかも) - 弾幕をひたすら避け続ける緊張感そのものが苦手な人
- クリア後もずっと遊べるやり込み要素を求める人
総評:私にとってSAROSは「1日1回やらずにいられない中毒ゲー」
私にとってSAROSは、ひとことで言えば、「1日1回は絶対にやりたくなる、中毒性のシューティング」でした。
気づけば「もう1ランだけ」とコントローラーを握ってしまう。
撃ち心地が気持ちよく、強くなった自分で大量の敵を一掃できる瞬間は、本当に爽快でした。
「このザコの量、いくらなんでも理不尽やろ!」とツッコミたくなる場面でも、自分で敵に優先順位をつけて一体ずつ的確に処理し、盤面を看破できたときの達成感は随一。
思わず画面録画で自分のプレイを見返したくなるほどで、実際よく振り返っていました笑
昨日できなかったことが今日は自然にできるようになっていて、自分の上達をはっきり感じられる瞬間が、なにより気持ちいい。この好循環に、私はどっぷりハマりました。
死にゲーと聞くと身構えてしまう気持ち、よく分かりますし、私もそうでした。
でもSAROSは、「死んでも無駄にならない」「強化はシンプル」「難易度も調整できる」「いつでも中断できる」と、苦手な人の逃げ道をちゃんと用意してくれています。
むしろ、死にゲーに苦手意識がある人こそ、一度触れてみてほしい。
「あれ、私、意外と上手いかも?」という手応えを、きっと味わえるはずです。
死にゲーだからと敬遠していた人ほど、「思っていたより遊びやすい」と感じられる一本でした。
私のように「死にゲーは苦手だけど気になる」と迷っている人にこそ、自信を持っておすすめできます。
気になっているなら、ぜひ一度触れてみてください。

